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現役のIT翻訳者がTOEICや翻訳について書くブログ

いまさら聞けない「TOEICって意味あるの?」 現役翻訳者が徹底検証!

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大手企業の海外支店や、外資系企業への転職などにはやっぱり英語が必要ですよね。

その時に一般的に1番知られているテストはTOEICだと思います。

また大学生は就職するために、英語が苦手な学生でもTOEICが必要だと考えている人が多くいるかもしれません。
しかし、それと同時にTOEICで900点以上をとったからといって「英語が話せない」「外国人とコミニケーションが取れない」と聞くこともあるのではないでしょうか。

せっかく勉強して苦労してTOEIC 800点、900点とってもそんな状況になるんだったら、意味ないんじゃないのかと思うかもしれません。

そんなギモンについて、TOEIC 900点以上を獲得した現役翻訳者がお話しいたします。

 

TOEICの意味

まず、「TOEICとは国際コミニケーション英語能力テスト(Test of English for Tnternational Communication)の頭文字をとったTOEICとは、英語を母語としない者を対象とした英語によるコミニケーション能力を検定するための試験である」と定義されています。

2016年のTOEIC受験者数は250万人以上だそうです。そのうち、ほとんどが日本人と韓国人が占めているといわれています。

また一説によると、日本人などのアジア人が北米の大学に進学するために必要なTOEFL(Test of English as a Foreign Language)というテストがあります。

このTOEFLが日本人などには難しすぎるため、このTOEICというテストが作られたとも言われています。(諸説あり)

つまり、「日本人及び韓国人にとって受けやすいテストだ」といえると思います。

TOEICは意義ある資格

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結論から言うと、特定の人にとっては「TOEICは意義のある資格だと思います。

ではどんな人にとってTOEICは意義があるかを説明します。

個人的な見解ですが、就職や転職を目的とするのであれば、TOEICの勉強は非常に有効だと思います。

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その理由として、「TOEICのスコアを昇進、昇格の要件にしていますか?」という質問を企業にしたところ、約40%の企業が「要件にしている」(16.6%)、「または要件にしていないが将来要件にしたい」(31.8%)と回答しています。(TOEIC 公式サイト参照)

この観点から見ると、就職したい企業によっては必要だといえます。

しかしそれ以外の学生や、転職活動をする人にとっては必要ないのでしょうか?

そんな事はないと思います。

TOEICはビジネス向けの英語で構成されているテストです。しかし、内容はそれほど難しくなく、「英語の処理速度を測るテスト」だと思います。

ですので、英語を学習する上ではとても有効なテストです。

また、TOEICは内容が比較的かんたんなので、TOEICに出てくる英語表現をくり返し練習し、覚えることで、自分の英会話力アップにとても役立つつテストです。

これは就職や転職を希望している人たちだけでなく、英語力を高めたい英語を勉強している全員に言えることです。その観点からもTOEICは意義のあるテストだと思います。

TOEIC950~990点は通訳者のエントリーレベル

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TOEIC何点あれば通訳者になれるのか?気になりませんか?

一般的にはTOEIC950点~990点というと高得点ですよね。どの企業の面接でも恥ずかしがらずに面接官に言えるレベルです。

しかし、通訳者としてはエントリーレベルです。つまり、通訳者は皆さんこのくらいの点数は取れる英語力をお持ちです。

また、通訳者といってもいろいろな種類があります。

他の記事(通訳者って稼げる職業なの?通訳タイプ別メリットデメリット)でも紹介した、社内通訳者、フリーランス通訳者のほかに、アテンド通訳というのもあります。

アテンド通訳は工場見学や展示会などの商談で対応する通訳のことです。

そして、新人通訳者がアテンド通訳を行うことが多いです。

一口に「通訳者」といっても、アテンド通訳から国際会議での会議通訳まで幅広い職業です。

ちょっと話はそれましたが、アテンド通訳を受けるレベルの通訳者でさえTOEICは900点台後半から満点を取れる能力がある人たちばかりです。

つまり、通訳者の面接ではTOEICが900点以上というのは最低ラインでしかありません。この点数を持っている事はあまりアピールポイントにならないと思います。

少なくとも、私がこれまで受けてきた企業の通訳面接では一回も「TOEIC900点以上もってるんだね。」などと言われたことはありませんでした。

当然ですが、TOEICの点数よりも通訳者にはじっさいの通訳スキル、経験、人柄が重視されます。

 

ちょっと余談ですが、通訳者を使い慣れていない企業では、「高い英語力を持っている人は通訳ができる」と思い違いされてしまうことがあります。

私が通訳スクールに通っているとき、このような思い違いにより、「通訳を任されたから通訳スクールに勉強にきた。」といっているクラスメートもいました。

しかし、通訳能力は特別な訓練を長年受けて初めて身に付く能力です。

TOEIC 990点を持っているから通訳ができるわけではありません。

もちろん簡単な日常会話の通訳であれば問題なく出来るかもしれません。

しかし、専門的な会議の通訳、ましてや同時通訳となると専門のスクールでみっちりと時間をかけて勉強してスキルをみがくのが王道です。

翻訳者もTOEIC900点以上は持っている

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次に、では文章を訳す翻訳者どのぐらいのTOEICスコアを持っているのか気になりますよね?

仕事で翻訳者は英語を聞く・話すというチャンスは少ない、または無いかもしれません。しかし、基本的には高い英語力を有しているのも当然のことです。

そのため、TOEICスコアも900点以上持っている人が多いと思います。

ただ翻訳者にはTOEICの点数以上に、専門知識・背景知識が重要になってきます。

TOEICの点数が900点以上というのも、翻訳者にとってもあくまでスタートラインです。

また翻訳者にとって大切な能力の1つに、検索・調査能力があります。

これは通訳者にも共通した必要な能力ですが、どこまで1つの用語にこだわって検索するのかなども必要な要素になってきます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回はTOEICの意味について書きました。それ以外にも、英語のプロである通訳者や翻訳者はTOEICのレベルはどのぐらい持っているのかについてお伝えしました。

「TOEICって意味あるの?」と感じている方にとって、少しでも参考なれば嬉しいです。