AI通訳機が通訳者から完全に仕事を奪えない3つの理由!
こんにちはネコ1000パーセントです。
今年で通訳・翻訳者として6年目に突入しました。
近年、 Google 翻訳やAI 通訳機など AI 技術が凄まじい速度で 進歩しています。
正直に言います。AI翻訳・通訳機の進化は恐ろしいです・・・。怖いです。
ただ、私よりも、外資系などで英語を使って仕事をしてきて、10年以上の社会経験を積み今の仕事に物足りなさを感じている30代の方。
英語は武器だけど、通訳・翻訳者として「英語」で食べていくには足踏みをしている方は、
「これから通訳・翻訳の勉強をしても、通訳・翻訳者として十分な力が付く頃には、AIに仕事を取られてしまうのでは?」
と悩んでいるかもしれません。
事実、AI通訳機「ポケトーク」は、即時に通訳し 、70以上の言語に対応しているのでこれからAI通訳機が活躍する場は増えていくと思います。
しかし、それはあくまで 日常会話や単純なビジネス会話 においての話だと思います。
(そうであってくれという強く願っています。)
やはり 重要な会議などの通訳は、これからも人間が 活躍していく 機会が多いと思います。
その理由を3つご紹介します。
【理由1】AI 通訳機は人間の「感情」まで訳せない
ビジネスの現場では交渉だけでなく、謝罪の場面や、熱意を込めた商品やサービスのプレゼンなど、感情に訴える場面での通訳が必要です。
そんな時は、話者の「感情」、つまり「申し訳ない」とか「この商品やサービスを是非使って欲しい、もっと深く知ってほしい」という強い気持ちを込めて、通訳して聞き手に伝えなければいけません。
単に言語を英語から日本語に置き換えるだけなら、もしかしたら AI 通訳機でもいいかもしれません。
しかし、やはりビジネスの場は人間と人間とのコミュニケーションですので、話者の感情を無視は出来ません。
今のところ、人間の「感情」はAI通訳機では 対応できません。
30年、50年、100年と時間が経つうちに AI 技術は更に進化を遂げ、もしかしたら「感情」まで伝えることができるようになる日が来るかもしれません。
「感情」まで通訳できるAI通訳機が開発されたら、その通訳機を是非使ってみたいものです。
【理由2】AI 通訳機には「専門用語」「略語」「会議の流れ」には対応できない
私がこれまで就業してきた企業や現場では、 必ず多くの「専門用語」や「略語」が使われていました。
特に「略語」は 社内の人間でないと理解できないものばかりでした。
AI 通訳機の利点の1つは「データを蓄積していく」機能を備えていることだと思います。
そのため、一度使った「専門用語」や「略語」は 時間を重ねていくにつれて機械が自動学習し、適格な訳出が可能になるかもしれません。
しかし、その「専門用語」や「略語」をAI通訳機が克服しても、「会議の流れ」の中で適格に訳せるかとなると、難しいと思います。
なぜかと言うと、「全ての人が必ずしも文頭から文末まで綺麗な文構造で話す」とは限らないからです。
また、以下のようなケースが多々発生します。
- 話題が頻繁に変わる
- 話者以外の人が話しに割って入ってくる
- 話者が最後まで言い切らない (例: 私はXXXだと思いますが・・・。)
- 会議の流れを切らないために言葉を省いて話す
AI通訳機では認識できない構成や文脈の発言をします。
それにより、AI通訳機が誤訳して、会議の流れが止まってしまい、時にはAI通訳機の使用をやめようとなってしまう気がします。
しかし人間の通訳者であれば、たとえ誤訳してしまったとしても、話者に再確認してから訂正できます。
そして、会議出席者と上手くコミュニケーションをとり、会議が円滑に進みかつビジネスに悪影響を与えないように対応できます。
このような対応はどう頑張っても AI 通訳機にはできないと思います。
【理由3】人と人をつなぐのは人(通訳者)である
3点目はやはり「人と人とをつなぐのは人(通訳者)」である
これは2点目と重複するところはありますが、通訳の必要な場面は、重要な会議だけではありません。
例えば会食中や移動中の車の中でのカジュアルな話をする際、ジョークを言ったりする際にも求められます。
実は重要な会議よりもこの砕けたコミュニケーションの方が、後々ビジネスとして成果を上げる上で重要な場合があります。
なぜならビジネスはあくまで人と人がコミュニケーションをとり、お互いに協力して、利益を生み出すことだからです。
最初はまったく信頼関係がなかったビジネスパートナーであっても、何回か交渉や会食をしていくうちに絆が出来ます。
その後、良好な関係を構築でき、最終的にお互いが Win Win な関係になれるような着地点を目指すのがビジネスの目的ですね。
ただビジネス上で一番求められるものはお互いの信頼関係だと思います。
そこには「この人だから、これは実行してあげよう」とか「この人が言うのだから、ここまでは値段を下げよう」と考えるものです。
これは通訳でも同じです。
企業の中には「この通訳さんにお願いしたい。」「この通訳さんだからこのビジネスはうまくいった。」という場面がお客さんと交流をしていくうちに出てきます。
それこそがビジネス面における信頼関係であり、AI 通訳機では 成し得ない事柄の1つだと思います。
まとめ
ここまでいかがでしたでしょうか?
テクノロジーは加速的に進化し続けていますが 人間でないとできないビジネスというのもあります
通訳は上記で述べた3つの理由により、 AI 通訳機によって大きく変わることは 完全に置き換わることはないと思います
これから通訳を目指される方は、「AI 通訳機に置き換わってしまうのではないか?」と心配しないで下さい。
それよりも一日も早く通訳者としてデビューできるよう行動していくことが、近道だと思います。
この記事が少しでも お役に立てれば幸いです。